レコード再生。MMの時代がやってくる?

生まれた時から常に家にはレコードにがあり、父親のオーディオシステムの他に、子供専用のポータブルレコードプレイヤーがある環境で育ち、ずっとレコードを聴き続けてきた私にとって、今更何をと思うようなレコードブームですが、再生機材の新製品の発売やレコードの新譜や再販、また中古市場の活性化など、私にとってはレコードと出会える機会が増えて嬉しい限りです。

さて、レコードの再生に欠かせないのはプレイヤーは勿論のこと、レコードの音溝を電子信号に変換するカートリッジが必要ですが、それにはいろいろな種類があり、その中でも大きく分けて、MMカートリッジ(ムービング マグネット)と、MCカートリッジ(ムービン グコイル)があります。

私の見解では、入門用はMMカートリッジ、高音質なものはMCカートリッジといったイメージです。

私も初めて買ったカートリッジは、オーディオテクニカのAT10Gと言う3000円ほどのMMカートリッジでした。

学生時代のお小遣いではこれが精一杯でした。


AT10G.JPG



社会人になり購入したMCカートリッジに、歴然とした差を感じてからは、MMカートリッジで音楽を聴く事はなくなってしまいました。


しかし近頃MMカートリッジが、にわかに注目を集めているように感じました。

レコードブームを背景に、互換針メーカーからのカートリッジの発売や、互換針のラインナップの充実、またSHURE社(シュアー)のカートリッジ生産からの撤退に伴い、SHUREのカートリッジの再評価。

MMは構造的に作りやすいが為に価格も安く、入門用にピッタリ。


そんなMMカートリッジですがMMの方が良いと言う人も多く、その中でもSHUREでないとダメと言うファンまでいるとのこと。

これはいちど聴いてみるしかないです。


と言うことで1番安いモデルで、しかも人気のあるSHURE M44Gというモデルを購入してみました。

もちろん製造中止になっているので、新品を入手することはできませんが、初期型の新品同様のものが入手出来ました。


Shure M44G.jpeg


初めて聞いた音の印象は、どこか懐かしさを感じる昔聞いたレコードの音といった感じです。

それに加えて、SHUREの独特の音なのか、スカッとした軽やかな音で派手に音楽を聞かせる感じが、なんともよいです。

もちろん、私の何十万もするMCカートリッジに比べれば雲泥の差がありますが、そんな事はお構いなしに、どこか心地良さを感じる良い音なのです。

それならば更にと言うことで、SHUREの上位機種で評判の良い V15 type3を購入してみました。


shure v15 type3純正針.jpeg



M44Gのスカッとした音はそのままに透明感がある細やかな音は、クオリティーの高さを感じ取れます。

しかし懐かしさや音の派手さといった独特の雰囲気は後退したように感じます。

針交換でもう少しガツンとくる音にならないかと、ジャズ喫茶BASIEのマスター菅原正二氏 監修のレコード針 JICO VN35MRB II を購入をしてみました。


shure v15 type3+JICO VN35MRB II (BASIE MODEL) .jpeg



ジャズ喫茶のマスターの監修だから、もっとガツンとくる音がなるのかと思いきや、きめ細かく繊細な音になりました。

しかも、マイクロリッジ針の影響なのか、音がめちゃめちゃ小さいです。

普段ボリューム位置が10時位で聞いてるのが、1時位の角度まで上げないと同じ音量になりません。

販売店からメーカーに確認しましたが、仕様なので問題ないとの返事。(^_^;)

しかし、針の収まりが悪く、再生中にだんだんと抜けてきます。

一旦メーカーに送り返しました。

ただ、何も問題ないと判断されたら、送料は負担しないといけないみたいです。




shure v15 type3互換丸針.jpeg



特殊な針よりM44Gと同じ丸針の方が良いのかなあと、V15 type3の互換針を購入してみました。

見た目が純正っぽく見えますが、ジャンクの純正針からガードなどを移植しました。

音量もありM44Gで感じた躍動感が戻ってきました。

しかも値段が3000円程と驚くほど安いです。

これは全然アリです。

ただ純正と同じ1.0gの針圧では歪みを感じる事があるので、場合により1.5gまで上げています。


shure v15 type3交換針.jpeg
BASIEモデル 純正楕円針 互換丸針





そしてMMカートリッジを調べている時に、ナガオカやJICOなどの大手以外に気になるメーカーがありました。

中電というメーカーで、元は三洋電機の関連会社だったようで、CD全盛期もOEMの下請けとしてカートリッジを作り続けてきた、数少ない会社とのことです。

その中電が自社ブランドとして発売した中で、上位機種の楕円針仕様 CHUDEN MG-3675 を購入してみました。



中電MG-3675.jpeg



SHUREとはまた違う音で、どこかを無理やり強調したと言う感じはなく、力強い音でバランスも良く、高域の繊細さも感じる事が出来ます。

少し言い過ぎかもしれませんが、私が所有している何十万円という価格のMCカートリッジと聴き分けても(クオリテイの違いはもちろんありますが)、違和感がありません。

SHUREよりクオリティが高く、しかもジャンルを選ばずオールマイティに使用できそうです。

そして、注目はこのカートリッジの価格。

なんと13,000円以下と超低価格です。

丸針仕様のMG-3605だと更に安く9,000円を切ります。

大手メーカーだったら少なくとも数倍はするでしょう。

今後注目のメーカーです。



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